[00:29.49]街路灯に灯りが点く [00:32.27]グレイの空、溶けてゆく [00:35.33]外れの公園で冷めた瞳の君と出逢う [00:41.71]降り積もる雪のように出逢いの刻は重なる [00:47.95]その瞳が熱を帯びた気がした [00:54.02]手と手を重ね合わせて、 [00:57.48]営みを交わして、 [01:00.60]口付けして、何処か血の味がして [01:07.82]たとえば、あの日に見た一幕が [01:11.63]幻ではなかったとして [01:14.83]それが君を遠ざける理由にはならない [01:20.73]だから、僕は君を欺くよ [01:24.37]その瞳を曇らせはしないよ [01:27.52]震え、止まれ、止まれ [01:30.19]罪を看過する僕に その資格などない [01:38.79] [01:49.98]穏やかなる朝食 途絶えてゆく消息 [01:55.94]君の首に赫い跡、滲んでいた [02:01.73]ささやかなる微笑みを、 [02:05.45]硝子のような声を、 [02:08.49]守る為に秤を傾けるよ [02:14.49]絡まり合う糸を強く引き合う [02:17.97]それは僕が選んだ運命 [02:21.24]解くことのできない硬く、脆い意図だ [02:26.82]だから世界よ、あと少しだけ [02:30.63]僕らのことを見逃してくれ [02:33.70]なんて、愚かなのか [02:36.53]神の御許に還れはしないな [02:42.65]悴む手でなぞった紙に秘めた想い [02:52.10]前触れなく開くドアに落ち尽きた秘事を [02:58.93]手に取った君は僕を見てた [03:03.92]瞳は揺らいでいた [03:08.10] [03:31.12]凍えていく、爪先も [03:33.81]冷めていく、血の管も [03:36.98]些事なことだよ [03:39.42]騙しきれず、ごめんね [03:45.11] [03:46.03]彼女は凍結した彼を前に [03:49.58]初めてその身を忌み嫌う [03:52.71]罪を知らぬ怪物への罰なのだろうか [03:58.57]せめて最初で最期の贖罪は [04:02.24]彼に捧げようと彼女は [04:05.34]その身、共に氷に [04:08.16]或るアパートメントの一つの部屋、 [04:13.74]溶けない氷で閉ざされている [04:23.80]